リアルタイムバトル将棋第四回銀星戦紹介(2025/5/5開催)

今年も開催されるリアルタイムバトル将棋のタイトル戦、第四回銀星戦について先日紹介した一連のツイートのまとめです。

リアルタイムバトル将棋Tier表

リアルタイムバトル将棋の駒のTier表を作ってみました。左右差有り。
どの駒が強いかは状況次第なところがあるので実際のところ難しいのですが、ランク付けの基準としては対戦の中で活躍できる度合いで考えてみました。
使用禁止になったら困る駒のランクと言ってもいいかもしれません。
上級者同士の対戦を想定しているので初心者帯などではまた変わってきます。

TierS+ 唯一無二の性能の駒

・王

〇クールタイム3秒で全方向に動ける。性能的には文句無しで最強
〇他の駒との連携で攻めでも守りでも要となる
×取られると負けなのでうかつに動かせない。相手の駒を取りにいけないことがある

TierS  対戦において要になる駒

・歩

〇王と並ぶ3秒クールタイム
〇確定反撃や支えなどあらゆる場面で活躍するRTB将棋の花形
〇と金になった瞬間が強い
×移動範囲が一番狭く、この駒だけでは戦えない
×二歩制限がある

・桂馬

〇クールタイム4秒で離れた位置から確定反撃や支えができる
〇特性上相手から利きを遮断されないので取られにくい位置に設置すると滅法強い
×移動操作が難しく咄嗟に動かしにくい
×移動範囲が特殊で正面が無防備

TierA  状況によっては強い駒

・角

〇序盤の仕掛けにおける特攻隊長であり、中盤以降は相手の玉を睨むスナイパー
〇王様を取るだけでなく、中盤戦のやり取りの中で相手の陣形を崩す動きができるのが強い
〇馬になることができる
×クールタイムが6秒と重い
×駒の利きを遮断される動きに対して弱い

香車

〇クールタイム4秒で歩の代用ができる
〇持ち駒パレットの位置が歩の隣なので咄嗟に打ちやすい
×4秒なので歩には確定反撃される
×直線的な動きしかできないので相手に対応されやすく、活用できる場面がやや限られる

・金

〇利きの広さで戦線を手厚くカバーする
〇寄せの際にも相手玉を捕まえる動きがやりやすい
×クールタイムが6秒と重く、うかつに動かせない
×持ち駒パレットの位置が歩から遠く、咄嗟に打ちにくい

・銀

〇金とほぼ同様で戦線を固める立役者
〇斜め後ろに下がれるので金よりも役に立つ場面もある
×金よりも動ける範囲が少しだけ狭く、攻めでも守りでもちょっとだけ劣る

・飛車


〇守りで強く、自陣への駒の打ち込みをカバーする
〇敵陣への打ち込みからの荒らし能力が高い
〇角ほどではないが空き王手からの玉スナイプを狙える
〇竜になることができる
×クールタイムが6秒と重い
×打ち込みからの荒らしが有効に機能する場面が意外と少なく、それ以外ではできることが少なくなりがち


ということで駒のランク付けを初めて書いてみました。
私の主観なのでプレイヤーによっても当然また違ってくるかと思います。
自分で書いてても対戦感覚としてさすがに飛車のランクはもっと上かなーと思ったり、香車の位置に悩んだりもしたのでなかなか難しいところです(ちなみにポイント勝負のことは考慮してないです)。
歩のランクが飛車よりも高いので歩と飛車の交換だと歩の方が得…かというと必ずしもそういうわけでもないのでそこはご注意を。
あくまでも活躍できる度合いから見た評価なので、どの駒にもそれぞれにしかできない役割があります。特に枚数の多い歩と違って2枚しかない飛車角は相対的に価値が高いと言えます。

本将棋の方だと順当に大駒の飛車角の価値が高くて金銀桂香歩と分かりやすく並ぶかと思うのですが、このゲームの場合クールタイムの要素があるのでそこも評価に影響してくるのがおもしろいところですね。
何かしら判断の参考になれば幸いです。それでは。

リアルタイムバトル将棋第三回銀星戦紹介(2024/5/5開催)

昨年に引き続き行われますリアルタイムバトル将棋のタイトル戦、第三回銀星戦について先日紹介した一連のツイートのまとめです。

↓これはちょっと前に先に書いたやつ。

 

確定反撃への対応についての考え方

ある程度慣れたプレイヤー同士の対戦では、不用意に駒を動かすと歩の打ち込みによる確定反撃を食らって取られてしまいます。
確定反撃を受けると駒損して不利になることが多いので、対応方法をちゃんと知っておくことがとても大事です。

基本図

 

先手側の5五銀と歩を取る手に対して後手側から5四歩の確定反撃が飛んでくる。クールタイム差でこの銀は取られてしまう。これを繰り返していると駒損で不利になりやすい。


確定反撃への対処方法はいくつかありますが
「確定反撃を受けても駒を取られた後取り返せるようにしておく(支えの歩)」
「確定反撃を受ける前に自分の駒を打ち込んで防ぐ(差し込み)」
「確定反撃を受けないようにあらかじめ自分の駒を打ち込んでおく(先打ち、裏打ち)」
「確定反撃を受けても他の駒で取れるようにしておく」

この4つに分類されるかと思います。

順に見てみましょう。

・支えの歩

基本図から5五銀、5六歩


自分の駒を動かした後、後ろに歩を打って支えます(盤面上にすでにある歩を突いて支えることもあります)。
これによって確定反撃を受けたとしても5五歩と銀を取られた後に更に同歩と取り返すことができるため、駒の損得で不利を起こしにくくなります。
確定反撃そのものを防ぐわけではありませんが、最も基本的で重要な対応です。
駒を動かしたら後ろに歩を打って支えるのは基本中の基本なので、まずはこれを覚えられるといいです。
操作は多少遅れても大丈夫で、最悪取られる寸前に打っても何とかなりますが、できれば手早く打てるとなお良いですね。

・差し込み

基本図から5五銀、(できるだけ素早く)5四歩


相手の確定反撃よりも先に自分の駒(主に歩)を打ち込んで確定反撃を防ぐテクニックです。
「相手の打ちたいところに打て」という格言をまさにリアルタイムで実行する手。
相手が確定反撃を狙っているところにこちらが先んじて打つためには素早い操作が必要になります。
「自分の駒を動かす→持ち駒パレットを開く→歩を選択する→カーソルを一つ前に動かして打つ」
この一連の操作を可能な限り素早く実行する必要があります。これは練習あるのみです。持ち駒パレットのカーソルが歩以外の位置になっていると素早く歩が打てないので、事前に歩にカーソルを合わせておくようにしましょう。
差し込みが間に合わずに確定反撃を受けてしまった場合は改めて支えの歩でカバーするとよいです。

差し込んだ歩が相手の角や桂馬に当たる場面だと確定反撃を防ぎつつ攻める攻防手となってより有効的になることが多いです。

攻防手となることで有効的になりやすい差し込み。こういう場面で5六歩の支えの歩ではやや消極的でもったいない。


操作速度が出せるなら支えの歩よりも有効に機能することも多いですが、差し込んだ歩が相手の駒に取られる位置の場合は悪手になってしまうこともあります。特に序盤の仕掛けの際などに一枚しかない歩を打ち込んで取られてしまうと歩切れになってよくないので気をつけましょう。

勢い5四歩と差し込んでいくが相手の銀に取られてしまう位置。ケースバイケースではあるものの、こういう場面では支えの歩の方が良いこともある。

 

・先打ち、裏打ち

基本図から先に5四歩。次に5五銀と安全に取りにいく。


自分の駒を動かす前に先に自分の駒を打ち込んで相手の確定反撃を事前に防ぐ手段です。
差し込みの場合は相手も確定反撃を狙ってくるので操作速度で負けてしまって打てないことがありますが、事前の打ち込みであれば相手からは防ぎにくいため実戦においてとても有効です。
ただし、差し込みを狙う場合よりも全体としての操作量が多く、時間がかかってしまうのが弱点です。
操作する必要のある駒が多い場面ではゆっくり裏打ちを狙っている余裕がないことも多く、操作量が少なくて済む差し込みや支えの歩を多用せざるを得ないことも多いです。
序盤など比較的盤面状況が落ち着いている場面で有効です。

 

・他の駒で取る
直接的な対応というよりは形でカバーする発想です。
例え確定反撃を受けてしまうような場面であっても、相手の打った確定反撃をこちらの駒で取れる形であれば相手としては確定反撃を打ちにくくなります。

5五銀に対して後手側が5四歩と確定反撃を打つと4六の桂馬で取られてしまう。

こちらは6五の銀でカバーする形。ただし後手側の持ち駒に歩が2枚以上あるならば5五銀、5四歩、同銀左に更に5三歩と確定反撃を合わせて無理やり崩していくような手も考えられる。


場面によっては相手の打った確定反撃をこちらがタダで取って終わるだけになるので、そうなると相手からは確定反撃が打てない形になります。つまりその場合こちらは支えの歩や差し込みといった他の防御手段を使わなくてもよいわけです。
支えの歩や差し込みはとても有効なので使い慣れてくると手癖でどんどん打ってしまいがちですが、打つ必要のない場面ではこれを控える動きもできるようになると歩をより有効な場面で使うことができようになるのでなお良いです。
ただし手持ちの歩が豊富な状況などであれば上記のような場面であっても支えの歩や差し込みをどんどん入れ込んでいく方がより手厚い指し回しとなることもあるため、ケースバイケースではあります。

以下は軽く実戦図です。

相手が6六角、6五歩の攻めを見せて角交換となった形。一時的に歩損している。

6六銀と取る。7七の桂馬が利いているので相手から6五歩確定反撃は打ちにくい。こちらもここで6五歩の差し込みは桂馬で取られる位置だし、6七と支える歩は形を決めてしまってやや損。したがってここでは何もせず貴重な一歩を温存するのが良い、と思われる。これで駒割は五分に戻った。

ついでなのでここからの仕掛けを考えてみる。6六銀のクールタイムが残り3秒になるまで待ってから7五歩、7六金。金を前に出すことで攻めを手厚くする。銀のクールタイムを待たずに同じ仕掛けをすると後手側の7五同歩が7六金への確定反撃になってしまって失敗。

後手側が7五同歩としてきたが銀のクールタイムを待った効果で取ることができる。このように確定反撃を防ぐために他の駒を利かせるためには駒の動ける範囲だけでなく時間面も考慮する必要がある。

先に7四歩、もしくは7五銀から7四歩と差し込んで調子良く攻めていく。ちなみにだがこの場合後手側の金銀が3段目まで上がるのが遅いせいでこの攻めを許してしまっている。


ということで今回は以上です。
リアルタイムバトル将棋の中盤戦は互いに確定反撃を決めつつ相手からの確定反撃を阻止していく、その流れの中で少しずつポイントを稼いで優勢を築いていくのが基本になっています。
実際には歩だけはなく香車や桂馬を使った確定反撃、開き王手の要領で角を使った確定反撃の阻止といった要素もあってなかなか難解ですが、本記事で紹介したようなテクニック、考え方を覚えておけば基本的な中盤戦のやり取りができるようになってくるかと思います。是非意識してみてください。

リアルタイムバトル将棋・駒組集

リアルタイムバトル将棋で使われる駒組集です。
トップ層が使う比較的メジャーなものからマイナーなものまでいろいろまとめてみました。
手順等がちょっと間違っているものもあるかと思いますが、駒組の参考にしてみてください。


5筋突きバランス型

私はあまり筋違い角を使わないので5筋の歩は突いてこのようなバランス型にすることが多いです。
ただし相手が筋違い角狙いで5筋の歩を突いていない場合はここから5五歩と伸ばして位を取り、5六に筋違い角を打つことはできます。
私以外だとko_ta君もこれに近い駒組にすることが多いでしょうか。
6八の銀が7八にいたり、5七と4七の王様と銀が入れ替わったり多少駒組のバリエーションはあります。
また、これはこの形に限ったことではないですが左右の香車を上げた形にするかどうかは好みもあります。

 

筋違い角狙い

トッププレイヤーであるれお君がよく使う形で、ここから筋違い角の攻めを仕掛けていくのが基本戦術となっています。
プレイヤーの技量が必要とはいえ、長らくこの筋違い角戦法が猛威を振るっていますので、現状における最強の駒組の一つといっていいかもしれません。

 

王将アグロ

速攻戦法に向けた駒組。3七から王様が上がっていくので5筋の歩は突かなくてもいいです。
王様をケアする必要があるので慣れるまではあまりおすすめできませんが、早めの仕掛けでペースを掴むことができるのがメリットの一つかもしれません。


ローラン式王将アグロ

ローランさんが独自に発展させた王将アグロ。
こちらの方が準備手順がやや多いものの、その分攻めの威力が上がっています。
ちなみにキングブランカアグロが正式名称(?)らしいです。

腰掛銀

飛車ちゅうさんが好んで指す形でバランスがとても良いです。
動かす駒の数が少ないため完成までが早いのもメリット。
一応相手が5筋の歩を突いている場合でも5五歩確定反撃に対し角でケアできるので腰掛銀に上げることはできます。

 

アルファ囲い

アルファさんが多用する形で、駒の打ち込みの隙もなく崩しにくいです(3八と7八への打ち込みは王様でカバーできます)。
受けが好きな人にはおすすめできる形。

 

風車

本将棋の風車とは少し形が違いますが基本的な考えなどが似ているので風車と呼ばれることが多いです。
動画の形よりは画像の方の5七角5八玉5九飛車の形が基本になるかと思います。相手が何が何でも無理やり攻めてくるようなタイプなら採用してみるのも一興かもしれません。
攻めが苦手な人や初心者におすすめ…と言いたいところですが、これだけだと時間終了間際の判定勝負狙いの攻防で困ることになるので慣れてきたら角道を通した他の形にも挑戦してみましょう。

 

クロス式

元プロのクロスさんが編み出した、クロス仕掛けとも呼ばれる端角の攻めを狙う駒組。
使うプレイヤーが少ないこともあって意外性があります。

 

右腰掛銀

2六に腰掛銀を作る形。
ここから7九角と引き角にして2四の地点を狙い、クロス仕掛けの発想で2四角2五銀のような仕掛けができそうです。

 

ダブル腰掛銀

中央を手厚くする形。
これ以外にも4筋と5筋の歩を突かないで4六と5六に銀を上げる不思議な形も前にやったことがあります。

 

全金駒腰掛の陣

受けは強いと思うんですけどどうも自分から動きにくかったです。
可能性はあるかもしれないので要研究といったところでしょうか。


四間飛車

リアルタイムバトル将棋ではあまり使われない振り飛車
動画と違って一旦角を引いて4筋ではなく5筋の歩を突き、4六に角を移動させるというような指し筋もあります。

 

中飛車

振り飛車の中では比較的使いやすい形かなと思います。
右桂を跳ねたくない時などに採用の余地がありそうです。

向かい飛車

序盤からちょっと特殊な動きをするので相手を警戒させる効果はありそうです。
8筋方向からの仕掛けなどが研究で編み出されたらおもしろくなりそう。
単に7七角からの向かい飛車もできますが即角交換をされた場合に同桂の形がちょっと弱点になりそうな感じがします。

銀冠形

王様を囲うわけではないので本将棋の銀冠とは違いますが一応。
角交換に対し同金と取れるので前線が崩れにくいことと、銀が金に紐づけできているのでやや固くなるのがメリットです。
あまり採用されていませんが駒組の一つとして一考の余地がありそう。

 

袖飛車

これに似た駒組として右四間飛車があります。
相手が4四歩と角道を閉じた形に対する攻めの陣形として有効ですが、プロクラスなどの対戦においては角道を閉じるプレイヤーが減ったことなどもあって採用率はかなり下がっています。

 

ということでいろいろ紹介してみましたが、リアルタイムバトル将棋ならではの特殊な駒組はまだまだ存在します(研究中の手順なんかは実戦で使いたいのでここに載せてなかったりもします)
自由な発想で自由な駒組ができるのがこのゲームの魅力の一つなので、個人的にももっと研究をして有効な形を探ってみたいなと思っています。
気に入った駒組があれば是非使ってみてほしいですし、自分で独自の形を考えて組んでみるのも楽しいと思います。それでは!

初の小学生プロ誕生なるか!?リアルタイムバトル将棋プロe棋士編入試験についての解説

間もなく始まるプロe棋士編入試験についての詳しい解説記事です。
概要はこちら。
www.silverstar.co.jp

めちゃくちゃざっくり言うと、凄く強い小学生プレイヤーが活躍しているので、プロ入りに挑戦してもらおうという話です。

 

プロe棋士とは

異色の将棋ゲーム「リアルタイムバトル将棋」におけるプロプレイヤーの名称です。
プロライセンスを獲得した時点でプロe棋士となります。
また、細かい話になりますがその時点でリアルタイムバトル将棋の公式段位が四段に昇段し、ランキングポイントが240になります。

プロライセンスとは

日本eスポーツ連合JeSU)が発行するもので、認定タイトルごとにJeSU公認大会での活躍等優れた成績を収めた人に取得の権利が与えられるものです。
また、それ以外にもIPホルダーが優れた実力を持ったプレイヤーに対して推薦を行う特別枠というシステムもあります。
詳しくは以下をご覧ください。

jesu.or.jp

小学生がプロライセンス獲得可能に

2023年の5月までは、プロライセンスを獲得できるのは中学生以上となっていました。
これが6月に改訂されたことによって小学生プレイヤーでもプロライセンスが得られるようになりました(実は年齢制限に下限は設けられていないので規約上は未就学児のプロライセンス獲得も可能…?)。
ちなみに賞金獲得に関する規約も合わせて改訂されています。従来は中学生プレイヤーはジュニアライセンスという扱いで賞金の受け取りを辞退する必要がありましたが、それもなくなって正式に賞金を獲得できるようになっています。


今回挑戦する小学生プレイヤー


小学四年生のko_ta君です。
画像を見ての通り第二回銀星戦という大きな大会でプロ達を倒して準優勝という素晴らしい成績を収めています。
また、この大会以外でもオンライン開催の公式大会において常に上位入賞するなど実力は折り紙付き。はっきり言ってしまうと今の時点で全プレイヤーの中でも一二を争うくらいの強さなのです。

プロe棋士編入試験とは

今回初めて実施されることになった制度です。
元々想定されていなかった制度なのですが、現にプロと同等以上の技量を持ったプレイヤーが登場し、大型大会で非常に高い成績を収めたこと。
更に元々8人枠のプロe棋士に現在一人欠員が出ているといった事情。もっというとそれが小学生プレイヤーという話題性。様々な事情が重なった結果、行われることになったわけです。

言うまでもなく実際の将棋界におけるプロ棋士編入試験を参考にしたというか、それにちなんだシステムですね。
将棋における実際のプロ編入試験をざっくりと説明しますと、奨励会を通した通常のプロ入りとは別の特別枠というような扱いで、対プロ公式戦で勝率6割5分以上といった高い戦績を収めた人に受験資格が与えられるというものです。
受験者はプロ棋士の新四段5名と対局を行い、3勝した時点でプロ入りが認められます。

今回のプロe棋士編入試験では3名のプロe棋士新四段が試験官役となり、挑戦者が2勝した時点でプロ入りが認められます。
(より正確に言うと2勝した時点でIPホルダーのシルバースタージャパンさんが特別枠でのプロ入り推薦を行って、JeSUさんの方でそれが承認されてジュニアプロライセンスが発行される、という流れになります)
リアルタイムバトル将棋というゲーム、プロ化が始まってからまだ日が浅いので新四段といっても歴で言うと最初にプロになった人達と一年も違わないのですが、せっかくなので本物の将棋界のシステムにできるだけ合わせてみたっていう感じになりますね。


試験の日程




ということでプロになってから日が浅い順で公人直人さん、私ことまこと’、鷺宮ローランさんの順で試験が行われます。10/1に第一局が行われ、最短で10/15の第二局の時点でko_ta君のプロ入りが決まります。
試合形式は4本先取と通常の大会での試合よりはやや長丁場。
配信チャンネルが毎回違いますのでご覧になりたい方はお気を付けください。

 

今後の影響等

仮にko_ta君のプロ入りが決まった場合、全タイトルにおいて初の小学生プロライセンス獲得ということになります。
今後の他のタイトルにおける小学生のプロ化に対する一つのモデルケース、試金石になるといえるかもしれません。
是非注目してみてください。


ということで終わりです!
個人的にもこの試験というか試合はとても楽しみにしています。

 




リアルタイムバトル将棋・一目のしのぎ集

リアルタイムバトル将棋では詰みが起こりにくく、本将棋では詰みの局面であっても工夫次第で切り抜けることができます。
本記事では問題形式でリアルタイムバトル将棋ならではのしのぎ方をいろいろまとめてみました。
この問題集で鍛えておけば、実際の対戦中にピンチになった時に瞬時にしのぐ判断ができるようになるかもしれません。これらが全て一目で解けるようになれれば完璧です。

※リアルタイムバトル将棋のルール
・駒の動きなど基本的なルールは本将棋とほぼ同じ。
・先手後手の概念がなく、互いに一度に何手でも指してよい。
・ただし一度動かした駒(打ち込んだ駒を含む)にはクールタイムが発生し、同じ駒を連続して動かすことはできない。
・クールタイムは王歩3秒、香車桂馬4秒、金銀飛車角各種成り駒が6秒。ただし駒が成った直後は成る前のクールタイムが適用される(例えばと金は最初だけクールタイム3秒)。
・詰みの概念はなく、直接王様を取った時点で勝ち。

画像で駒の右上に表示してある水色の数字がクールタイムです。数字が表示されていない駒は動かせる状態。
実際のプレイにおいては一定の操作速度が必要になりますが、ここではだいたい一手に一秒かからない程度で操作できるという想定とします。
実は駒を取られる直前に逃げるという最終手段のしのぎ方があるのですが、今回はそれは考慮せずそれ以外の方法で考えてください。


第一問

ヒント・いきなり頭金ですが大丈夫です。クールタイムのことを思い出してください。

第一問・解答(クリックで表示)

正解は7九玉。
王様のクールタイムは3秒なので、一旦逃げてから次のクールタイムが終われば8八の金に取られる前に再度動いて逃げ切ることができます。

 

第二問

ヒント・局面自体は先ほどと全く同じですが、クールタイム状況が異なります。

第二問・解答(クリックで表示)

今回は7九玉では8八金のクールタイム終了の方が早いので逃げきれません。8七金のクールタイム6秒に着目し、8八玉と大胆に取りに行くのが正解です。
王様はクールタイム3秒なので、例え相手の駒の利いている場所であってもその駒がクールタイム4秒以上であれば飛び込んでも平気なのです。
金二枚で追いつめられていたはずなのにあら不思議、次に8七の金まで取れてしまいますね。

 

第三問

ヒント・応用問題です。クールタイムをよく見ましょう。

第三問・解答(クリックで表示)

正解は8七玉。
実戦でもこのように金駒二枚に追い詰められるというケースはよくありますが、クールタイムの短くなっている方を王様で取りに行くのが正解です。間違って8八の金を取ってしまうと負けです。
詰みの場面以外でもこれを瞬時に判断できるようになれば相手の攻めをいなしつつ相手の駒を全部取ってしまえるので大変強力です。

第四問

ヒント・援軍の銀に着目。

第四問・解答(クリックで表示)

正解は8七銀からの8八玉。
支えになっている8七の金を銀で取ってしまえば8八の金はタダになります。
このように2枚の駒で相手の攻めをいなす連続取りもリアルタイムバトル将棋の対局においては非常に重要で、これで一気に形成がひっくり返ることもあります。

 

第五問

ヒント・応用問題です。

第五問・解答(クリックで表示)

正解は8七桂馬からの8八玉。
やることはさっきと同じなのですが、実はちょっとだけ難易度が高いです。
何故かというと銀よりも桂馬の方が操作入力に必要な量が多くて手間取ってしまうためです。駒の操作によってクールタイムが間に合うかどうかが変わってくるので、実戦ではそこも考慮に入れる必要が出てきます。

 

第六問

ヒント・更に応用問題です。

第六問・解答(クリックで表示)

正解は7七歩で角道を開けて8七角と金を取ってからの8八玉。
これは開き王手などにも通じるのですが、リアルタイムバトル将棋では間にあるのが自分の駒であれば利きは常に通せるものだという発想が大事です。
7八に歩があっても8七に角が利いているんだという感覚が持てるようになるといいのですが、本将棋の感覚があるとそこがなかなか難しいところかもしれません。
操作も忙しく、ここまでできればほとんど上級者の領域と言っていいかもしれません。

 

第七問

ヒント・持ち駒に歩があります。

第七問・解答(クリックで表示)


8九玉では逃げきれません。正解は8九歩。
リアルタイムバトル将棋における重要手筋、確定反撃です。
後から打ち込んだ歩の方がクールタイム差で先に動くことができるので、次に8八歩と金を取ってしまえばしのぐことができます。
状況によってはクールタイム4秒の香車や桂馬でも決めることができますが、猶予がかなり短いので難易度が上がります。

 

第八問

ヒント・香車の利きをなんとかしたいです。

第八問・解答(クリックで表示)

8八金のクールタイムが3秒になっているので、今から8九に歩を打っても確定反撃が間に合いません。
ここでは香車の利きを遮断する8七歩が正解。利きを無効化してから8八玉です。

 

第九問

ヒント・応用問題です。

第九問・解答(クリックで表示)

角の利きを遮断する7七歩を入れてからの8八玉が正解。
このように遠距離から利かせている駒に対しては間に駒を差し込むことで遮断できるので、開き王手などとは真逆の発想で、利きが通っていても通っていないものにすることができます。

 

第十問

ヒント・唯一遮断ができない駒、桂馬に対してどう対処しますか。

第十問・解答(クリックで表示)

同じように離れたところから利かせていても、桂馬だけはその利きを遮断することができません。この特性ゆえにリアルタイムバトル将棋では非常に強力な駒なのです。
また、8七に歩があるせいで8九の確定反撃も打てません。
ではどうするか、ここでの正解は7七歩
8八の金に確定反撃ができないのであれば、そこに利かせてある7六の桂馬に確定反撃をすればいいのです。間接確定反撃ですね。

時間的には際どいものの、先に7六歩と桂馬を取ってからの8八玉でしのげています。
これは非常に難易度が高く、上級者でもとっさには見切って指せないと思います。
遮断ができない桂馬に対して特に有効な手段になりえる、ということを覚えておいていただければと。

 

第十一問

ヒント・一種の応用問題です。

第十一問・解答(クリックで表示)

これも間接確定反撃に近い発想。7八歩が正解です。7八同金ならクールタイム6秒が発生するので8八玉と取れるようになります。そのまま放置ならもちろん7七歩からの8八玉。
こうやって時間を止めて局面だけを見れば分かりやすいんですけど、実戦で咄嗟にやるとなるとなかなか難しいです。
ちなみにですがこの局面の場合9七歩成りとやられると今度こそ完全に詰みの状態になって負けです。
9八玉から逃げる手を消すために配置した歩でしたが、金か銀にしておけば良かったです。

 

第十二問

ヒント・ここからは連問形式です。追い詰められて逃げ道がないように見えますが…。

第十二問・解答(クリックで表示)

逃げ道がないなら作り出してしまえばいい。
9五歩と突いてからの9六玉で逃れています。
なお、9五歩を完全に読まれていた場合は9六玉の前に9五同歩と取られて相手の歩の方がわずかに早く先に動けるため王様を取られて負けになる可能性があります。

第十三問

ヒント・先ほどの局面から相手が9五歩と取ってきました。依然ピンチですがまだしのげます。

第十三問・解答(クリックで表示)

9四歩で香車を遮断してからの9五玉。
リスクはありますがこういう場面では先に9五玉を入れてから9四歩と打つような手もあります。
手順前後にはなりますが先に9四に歩を打ち込むよりもその方が全体の操作量は少なくて済むので、十分な操作速度が出せる上級者は好んでそちらを選ぶ傾向にあります。

第十四問

ヒント・9四香、9三歩と支えてきました。9四香を見てから先にこちらが9三に歩が打てていれば前方に抜け出せていたのですがもう無理です。

第十四問・解答(クリックで表示)

まだ粘れます。9六玉と引いてから即座に間駒の9五歩。
じり貧のように見えるかもしれませんが、こうやって粘っている間に相手玉に仕掛けた王手が通ったりするので少しでも粘って時間を稼ぐスキルは重要です。

さて、最終となる第十五問は上の局面の続きでそのまま考えてください。
次に相手から9五香、9四歩とくるのが見えています。

第十五問・解答(クリックで表示)

正解は8九歩。
第十一問と同様で強制的に馬を動かすための一手。
ここから8九同馬なら8七が安全になるので8七玉。
歩を取らない7七馬や7八馬であっても馬にクールタイム6秒が発生するのでやっぱり構わず8七玉。
香車で王様を取ることを優先してくるなら8八歩で馬を取ってから8七玉。

時間的に際どく、タイミングよく8六歩と突いてこられるような手もあるので怖いのですが絶望的な局面からでも諦めなければこのようにしのげることもある、ということです。




ということで今回は以上です。
こういう発想があるんだっていうことを理解しておいてもらえれば、実戦で同じような場面が出た時にあまり考えることなく指せるようになるんじゃないかと思います。
負けそうな場面で負けない、っていうのは勝負において凄く大事なことなので是非マスターしてほしいですね。それでは!