確定反撃への対応についての考え方

ある程度慣れたプレイヤー同士の対戦では、不用意に駒を動かすと歩の打ち込みによる確定反撃を食らって取られてしまいます。
確定反撃を受けると駒損して不利になることが多いので、対応方法をちゃんと知っておくことがとても大事です。

基本図

 

先手側の5五銀と歩を取る手に対して後手側から5四歩の確定反撃が飛んでくる。クールタイム差でこの銀は取られてしまう。これを繰り返していると駒損で不利になりやすい。


確定反撃への対処方法はいくつかありますが
「確定反撃を受けても駒を取られた後取り返せるようにしておく(支えの歩)」
「確定反撃を受ける前に自分の駒を打ち込んで防ぐ(差し込み)」
「確定反撃を受けないようにあらかじめ自分の駒を打ち込んでおく(先打ち、裏打ち)」
「確定反撃を受けても他の駒で取れるようにしておく」

この4つに分類されるかと思います。

順に見てみましょう。

・支えの歩

基本図から5五銀、5六歩


自分の駒を動かした後、後ろに歩を打って支えます(盤面上にすでにある歩を突いて支えることもあります)。
これによって確定反撃を受けたとしても5五歩と銀を取られた後に更に同歩と取り返すことができるため、駒の損得で不利を起こしにくくなります。
確定反撃そのものを防ぐわけではありませんが、最も基本的で重要な対応です。
駒を動かしたら後ろに歩を打って支えるのは基本中の基本なので、まずはこれを覚えられるといいです。
操作は多少遅れても大丈夫で、最悪取られる寸前に打っても何とかなりますが、できれば手早く打てるとなお良いですね。

・差し込み

基本図から5五銀、(できるだけ素早く)5四歩


相手の確定反撃よりも先に自分の駒(主に歩)を打ち込んで確定反撃を防ぐテクニックです。
「相手の打ちたいところに打て」という格言をまさにリアルタイムで実行する手。
相手が確定反撃を狙っているところにこちらが先んじて打つためには素早い操作が必要になります。
「自分の駒を動かす→持ち駒パレットを開く→歩を選択する→カーソルを一つ前に動かして打つ」
この一連の操作を可能な限り素早く実行する必要があります。これは練習あるのみです。持ち駒パレットのカーソルが歩以外の位置になっていると素早く歩が打てないので、事前に歩にカーソルを合わせておくようにしましょう。
差し込みが間に合わずに確定反撃を受けてしまった場合は改めて支えの歩でカバーするとよいです。

差し込んだ歩が相手の角や桂馬に当たる場面だと確定反撃を防ぎつつ攻める攻防手となってより有効的になることが多いです。

攻防手となることで有効的になりやすい差し込み。こういう場面で5六歩の支えの歩ではやや消極的でもったいない。


操作速度が出せるなら支えの歩よりも有効に機能することも多いですが、差し込んだ歩が相手の駒に取られる位置の場合は悪手になってしまうこともあります。特に序盤の仕掛けの際などに一枚しかない歩を打ち込んで取られてしまうと歩切れになってよくないので気をつけましょう。

勢い5四歩と差し込んでいくが相手の銀に取られてしまう位置。ケースバイケースではあるものの、こういう場面では支えの歩の方が良いこともある。

 

・先打ち、裏打ち

基本図から先に5四歩。次に5五銀と安全に取りにいく。


自分の駒を動かす前に先に自分の駒を打ち込んで相手の確定反撃を事前に防ぐ手段です。
差し込みの場合は相手も確定反撃を狙ってくるので操作速度で負けてしまって打てないことがありますが、事前の打ち込みであれば相手からは防ぎにくいため実戦においてとても有効です。
ただし、差し込みを狙う場合よりも全体としての操作量が多く、時間がかかってしまうのが弱点です。
操作する必要のある駒が多い場面ではゆっくり裏打ちを狙っている余裕がないことも多く、操作量が少なくて済む差し込みや支えの歩を多用せざるを得ないことも多いです。
序盤など比較的盤面状況が落ち着いている場面で有効です。

 

・他の駒で取る
直接的な対応というよりは形でカバーする発想です。
例え確定反撃を受けてしまうような場面であっても、相手の打った確定反撃をこちらの駒で取れる形であれば相手としては確定反撃を打ちにくくなります。

5五銀に対して後手側が5四歩と確定反撃を打つと4六の桂馬で取られてしまう。

こちらは6五の銀でカバーする形。ただし後手側の持ち駒に歩が2枚以上あるならば5五銀、5四歩、同銀左に更に5三歩と確定反撃を合わせて無理やり崩していくような手も考えられる。


場面によっては相手の打った確定反撃をこちらがタダで取って終わるだけになるので、そうなると相手からは確定反撃が打てない形になります。つまりその場合こちらは支えの歩や差し込みといった他の防御手段を使わなくてもよいわけです。
支えの歩や差し込みはとても有効なので使い慣れてくると手癖でどんどん打ってしまいがちですが、打つ必要のない場面ではこれを控える動きもできるようになると歩をより有効な場面で使うことができようになるのでなお良いです。
ただし手持ちの歩が豊富な状況などであれば上記のような場面であっても支えの歩や差し込みをどんどん入れ込んでいく方がより手厚い指し回しとなることもあるため、ケースバイケースではあります。

以下は軽く実戦図です。

相手が6六角、6五歩の攻めを見せて角交換となった形。一時的に歩損している。

6六銀と取る。7七の桂馬が利いているので相手から6五歩確定反撃は打ちにくい。こちらもここで6五歩の差し込みは桂馬で取られる位置だし、6七と支える歩は形を決めてしまってやや損。したがってここでは何もせず貴重な一歩を温存するのが良い、と思われる。これで駒割は五分に戻った。

ついでなのでここからの仕掛けを考えてみる。6六銀のクールタイムが残り3秒になるまで待ってから7五歩、7六金。金を前に出すことで攻めを手厚くする。銀のクールタイムを待たずに同じ仕掛けをすると後手側の7五同歩が7六金への確定反撃になってしまって失敗。

後手側が7五同歩としてきたが銀のクールタイムを待った効果で取ることができる。このように確定反撃を防ぐために他の駒を利かせるためには駒の動ける範囲だけでなく時間面も考慮する必要がある。

先に7四歩、もしくは7五銀から7四歩と差し込んで調子良く攻めていく。ちなみにだがこの場合後手側の金銀が3段目まで上がるのが遅いせいでこの攻めを許してしまっている。


ということで今回は以上です。
リアルタイムバトル将棋の中盤戦は互いに確定反撃を決めつつ相手からの確定反撃を阻止していく、その流れの中で少しずつポイントを稼いで優勢を築いていくのが基本になっています。
実際には歩だけはなく香車や桂馬を使った確定反撃、開き王手の要領で角を使った確定反撃の阻止といった要素もあってなかなか難解ですが、本記事で紹介したようなテクニック、考え方を覚えておけば基本的な中盤戦のやり取りができるようになってくるかと思います。是非意識してみてください。

リアルタイムバトル将棋・駒組集

リアルタイムバトル将棋で使われる駒組集です。
トップ層が使う比較的メジャーなものからマイナーなものまでいろいろまとめてみました。
手順等がちょっと間違っているものもあるかと思いますが、駒組の参考にしてみてください。


5筋突きバランス型

私はあまり筋違い角を使わないので5筋の歩は突いてこのようなバランス型にすることが多いです。
ただし相手が筋違い角狙いで5筋の歩を突いていない場合はここから5五歩と伸ばして位を取り、5六に筋違い角を打つことはできます。
私以外だとko_ta君もこれに近い駒組にすることが多いでしょうか。
6八の銀が7八にいたり、5七と4七の王様と銀が入れ替わったり多少駒組のバリエーションはあります。
また、これはこの形に限ったことではないですが左右の香車を上げた形にするかどうかは好みもあります。

 

筋違い角狙い

トッププレイヤーであるれお君がよく使う形で、ここから筋違い角の攻めを仕掛けていくのが基本戦術となっています。
プレイヤーの技量が必要とはいえ、長らくこの筋違い角戦法が猛威を振るっていますので、現状における最強の駒組の一つといっていいかもしれません。

 

王将アグロ

速攻戦法に向けた駒組。3七から王様が上がっていくので5筋の歩は突かなくてもいいです。
王様をケアする必要があるので慣れるまではあまりおすすめできませんが、早めの仕掛けでペースを掴むことができるのがメリットの一つかもしれません。


ローラン式王将アグロ

ローランさんが独自に発展させた王将アグロ。
こちらの方が準備手順がやや多いものの、その分攻めの威力が上がっています。
ちなみにキングブランカアグロが正式名称(?)らしいです。

腰掛銀

飛車ちゅうさんが好んで指す形でバランスがとても良いです。
動かす駒の数が少ないため完成までが早いのもメリット。
一応相手が5筋の歩を突いている場合でも5五歩確定反撃に対し角でケアできるので腰掛銀に上げることはできます。

 

アルファ囲い

アルファさんが多用する形で、駒の打ち込みの隙もなく崩しにくいです(3八と7八への打ち込みは王様でカバーできます)。
受けが好きな人にはおすすめできる形。

 

風車

本将棋の風車とは少し形が違いますが基本的な考えなどが似ているので風車と呼ばれることが多いです。
動画の形よりは画像の方の5七角5八玉5九飛車の形が基本になるかと思います。相手が何が何でも無理やり攻めてくるようなタイプなら採用してみるのも一興かもしれません。
攻めが苦手な人や初心者におすすめ…と言いたいところですが、これだけだと時間終了間際の判定勝負狙いの攻防で困ることになるので慣れてきたら角道を通した他の形にも挑戦してみましょう。

 

クロス式

元プロのクロスさんが編み出した、クロス仕掛けとも呼ばれる端角の攻めを狙う駒組。
使うプレイヤーが少ないこともあって意外性があります。

 

右腰掛銀

2六に腰掛銀を作る形。
ここから7九角と引き角にして2四の地点を狙い、クロス仕掛けの発想で2四角2五銀のような仕掛けができそうです。

 

ダブル腰掛銀

中央を手厚くする形。
これ以外にも4筋と5筋の歩を突かないで4六と5六に銀を上げる不思議な形も前にやったことがあります。

 

全金駒腰掛の陣

受けは強いと思うんですけどどうも自分から動きにくかったです。
可能性はあるかもしれないので要研究といったところでしょうか。


四間飛車

リアルタイムバトル将棋ではあまり使われない振り飛車
動画と違って一旦角を引いて4筋ではなく5筋の歩を突き、4六に角を移動させるというような指し筋もあります。

 

中飛車

振り飛車の中では比較的使いやすい形かなと思います。
右桂を跳ねたくない時などに採用の余地がありそうです。

向かい飛車

序盤からちょっと特殊な動きをするので相手を警戒させる効果はありそうです。
8筋方向からの仕掛けなどが研究で編み出されたらおもしろくなりそう。
単に7七角からの向かい飛車もできますが即角交換をされた場合に同桂の形がちょっと弱点になりそうな感じがします。

銀冠形

王様を囲うわけではないので本将棋の銀冠とは違いますが一応。
角交換に対し同金と取れるので前線が崩れにくいことと、銀が金に紐づけできているのでやや固くなるのがメリットです。
あまり採用されていませんが駒組の一つとして一考の余地がありそう。

 

袖飛車

これに似た駒組として右四間飛車があります。
相手が4四歩と角道を閉じた形に対する攻めの陣形として有効ですが、プロクラスなどの対戦においては角道を閉じるプレイヤーが減ったことなどもあって採用率はかなり下がっています。

 

ということでいろいろ紹介してみましたが、リアルタイムバトル将棋ならではの特殊な駒組はまだまだ存在します(研究中の手順なんかは実戦で使いたいのでここに載せてなかったりもします)
自由な発想で自由な駒組ができるのがこのゲームの魅力の一つなので、個人的にももっと研究をして有効な形を探ってみたいなと思っています。
気に入った駒組があれば是非使ってみてほしいですし、自分で独自の形を考えて組んでみるのも楽しいと思います。それでは!

初の小学生プロ誕生なるか!?リアルタイムバトル将棋プロe棋士編入試験についての解説

間もなく始まるプロe棋士編入試験についての詳しい解説記事です。
概要はこちら。
www.silverstar.co.jp

めちゃくちゃざっくり言うと、凄く強い小学生プレイヤーが活躍しているので、プロ入りに挑戦してもらおうという話です。

 

プロe棋士とは

異色の将棋ゲーム「リアルタイムバトル将棋」におけるプロプレイヤーの名称です。
プロライセンスを獲得した時点でプロe棋士となります。
また、細かい話になりますがその時点でリアルタイムバトル将棋の公式段位が四段に昇段し、ランキングポイントが240になります。

プロライセンスとは

日本eスポーツ連合JeSU)が発行するもので、認定タイトルごとにJeSU公認大会での活躍等優れた成績を収めた人に取得の権利が与えられるものです。
また、それ以外にもIPホルダーが優れた実力を持ったプレイヤーに対して推薦を行う特別枠というシステムもあります。
詳しくは以下をご覧ください。

jesu.or.jp

小学生がプロライセンス獲得可能に

2023年の5月までは、プロライセンスを獲得できるのは中学生以上となっていました。
これが6月に改訂されたことによって小学生プレイヤーでもプロライセンスが得られるようになりました(実は年齢制限に下限は設けられていないので規約上は未就学児のプロライセンス獲得も可能…?)。
ちなみに賞金獲得に関する規約も合わせて改訂されています。従来は中学生プレイヤーはジュニアライセンスという扱いで賞金の受け取りを辞退する必要がありましたが、それもなくなって正式に賞金を獲得できるようになっています。


今回挑戦する小学生プレイヤー


小学四年生のko_ta君です。
画像を見ての通り第二回銀星戦という大きな大会でプロ達を倒して準優勝という素晴らしい成績を収めています。
また、この大会以外でもオンライン開催の公式大会において常に上位入賞するなど実力は折り紙付き。はっきり言ってしまうと今の時点で全プレイヤーの中でも一二を争うくらいの強さなのです。

プロe棋士編入試験とは

今回初めて実施されることになった制度です。
元々想定されていなかった制度なのですが、現にプロと同等以上の技量を持ったプレイヤーが登場し、大型大会で非常に高い成績を収めたこと。
更に元々8人枠のプロe棋士に現在一人欠員が出ているといった事情。もっというとそれが小学生プレイヤーという話題性。様々な事情が重なった結果、行われることになったわけです。

言うまでもなく実際の将棋界におけるプロ棋士編入試験を参考にしたというか、それにちなんだシステムですね。
将棋における実際のプロ編入試験をざっくりと説明しますと、奨励会を通した通常のプロ入りとは別の特別枠というような扱いで、対プロ公式戦で勝率6割5分以上といった高い戦績を収めた人に受験資格が与えられるというものです。
受験者はプロ棋士の新四段5名と対局を行い、3勝した時点でプロ入りが認められます。

今回のプロe棋士編入試験では3名のプロe棋士新四段が試験官役となり、挑戦者が2勝した時点でプロ入りが認められます。
(より正確に言うと2勝した時点でIPホルダーのシルバースタージャパンさんが特別枠でのプロ入り推薦を行って、JeSUさんの方でそれが承認されてジュニアプロライセンスが発行される、という流れになります)
リアルタイムバトル将棋というゲーム、プロ化が始まってからまだ日が浅いので新四段といっても歴で言うと最初にプロになった人達と一年も違わないのですが、せっかくなので本物の将棋界のシステムにできるだけ合わせてみたっていう感じになりますね。


試験の日程




ということでプロになってから日が浅い順で公人直人さん、私ことまこと’、鷺宮ローランさんの順で試験が行われます。10/1に第一局が行われ、最短で10/15の第二局の時点でko_ta君のプロ入りが決まります。
試合形式は4本先取と通常の大会での試合よりはやや長丁場。
配信チャンネルが毎回違いますのでご覧になりたい方はお気を付けください。

 

今後の影響等

仮にko_ta君のプロ入りが決まった場合、全タイトルにおいて初の小学生プロライセンス獲得ということになります。
今後の他のタイトルにおける小学生のプロ化に対する一つのモデルケース、試金石になるといえるかもしれません。
是非注目してみてください。


ということで終わりです!
個人的にもこの試験というか試合はとても楽しみにしています。

 




リアルタイムバトル将棋・一目のしのぎ集

リアルタイムバトル将棋では詰みが起こりにくく、本将棋では詰みの局面であっても工夫次第で切り抜けることができます。
本記事では問題形式でリアルタイムバトル将棋ならではのしのぎ方をいろいろまとめてみました。
この問題集で鍛えておけば、実際の対戦中にピンチになった時に瞬時にしのぐ判断ができるようになるかもしれません。これらが全て一目で解けるようになれれば完璧です。

※リアルタイムバトル将棋のルール
・駒の動きなど基本的なルールは本将棋とほぼ同じ。
・先手後手の概念がなく、互いに一度に何手でも指してよい。
・ただし一度動かした駒(打ち込んだ駒を含む)にはクールタイムが発生し、同じ駒を連続して動かすことはできない。
・クールタイムは王歩3秒、香車桂馬4秒、金銀飛車角各種成り駒が6秒。ただし駒が成った直後は成る前のクールタイムが適用される(例えばと金は最初だけクールタイム3秒)。
・詰みの概念はなく、直接王様を取った時点で勝ち。

画像で駒の右上に表示してある水色の数字がクールタイムです。数字が表示されていない駒は動かせる状態。
実際のプレイにおいては一定の操作速度が必要になりますが、ここではだいたい一手に一秒かからない程度で操作できるという想定とします。
実は駒を取られる直前に逃げるという最終手段のしのぎ方があるのですが、今回はそれは考慮せずそれ以外の方法で考えてください。


第一問

ヒント・いきなり頭金ですが大丈夫です。クールタイムのことを思い出してください。

第一問・解答(クリックで表示)

正解は7九玉。
王様のクールタイムは3秒なので、一旦逃げてから次のクールタイムが終われば8八の金に取られる前に再度動いて逃げ切ることができます。

 

第二問

ヒント・局面自体は先ほどと全く同じですが、クールタイム状況が異なります。

第二問・解答(クリックで表示)

今回は7九玉では8八金のクールタイム終了の方が早いので逃げきれません。8七金のクールタイム6秒に着目し、8八玉と大胆に取りに行くのが正解です。
王様はクールタイム3秒なので、例え相手の駒の利いている場所であってもその駒がクールタイム4秒以上であれば飛び込んでも平気なのです。
金二枚で追いつめられていたはずなのにあら不思議、次に8七の金まで取れてしまいますね。

 

第三問

ヒント・応用問題です。クールタイムをよく見ましょう。

第三問・解答(クリックで表示)

正解は8七玉。
実戦でもこのように金駒二枚に追い詰められるというケースはよくありますが、クールタイムの短くなっている方を王様で取りに行くのが正解です。間違って8八の金を取ってしまうと負けです。
詰みの場面以外でもこれを瞬時に判断できるようになれば相手の攻めをいなしつつ相手の駒を全部取ってしまえるので大変強力です。

第四問

ヒント・援軍の銀に着目。

第四問・解答(クリックで表示)

正解は8七銀からの8八玉。
支えになっている8七の金を銀で取ってしまえば8八の金はタダになります。
このように2枚の駒で相手の攻めをいなす連続取りもリアルタイムバトル将棋の対局においては非常に重要で、これで一気に形成がひっくり返ることもあります。

 

第五問

ヒント・応用問題です。

第五問・解答(クリックで表示)

正解は8七桂馬からの8八玉。
やることはさっきと同じなのですが、実はちょっとだけ難易度が高いです。
何故かというと銀よりも桂馬の方が操作入力に必要な量が多くて手間取ってしまうためです。駒の操作によってクールタイムが間に合うかどうかが変わってくるので、実戦ではそこも考慮に入れる必要が出てきます。

 

第六問

ヒント・更に応用問題です。

第六問・解答(クリックで表示)

正解は7七歩で角道を開けて8七角と金を取ってからの8八玉。
これは開き王手などにも通じるのですが、リアルタイムバトル将棋では間にあるのが自分の駒であれば利きは常に通せるものだという発想が大事です。
7八に歩があっても8七に角が利いているんだという感覚が持てるようになるといいのですが、本将棋の感覚があるとそこがなかなか難しいところかもしれません。
操作も忙しく、ここまでできればほとんど上級者の領域と言っていいかもしれません。

 

第七問

ヒント・持ち駒に歩があります。

第七問・解答(クリックで表示)


8九玉では逃げきれません。正解は8九歩。
リアルタイムバトル将棋における重要手筋、確定反撃です。
後から打ち込んだ歩の方がクールタイム差で先に動くことができるので、次に8八歩と金を取ってしまえばしのぐことができます。
状況によってはクールタイム4秒の香車や桂馬でも決めることができますが、猶予がかなり短いので難易度が上がります。

 

第八問

ヒント・香車の利きをなんとかしたいです。

第八問・解答(クリックで表示)

8八金のクールタイムが3秒になっているので、今から8九に歩を打っても確定反撃が間に合いません。
ここでは香車の利きを遮断する8七歩が正解。利きを無効化してから8八玉です。

 

第九問

ヒント・応用問題です。

第九問・解答(クリックで表示)

角の利きを遮断する7七歩を入れてからの8八玉が正解。
このように遠距離から利かせている駒に対しては間に駒を差し込むことで遮断できるので、開き王手などとは真逆の発想で、利きが通っていても通っていないものにすることができます。

 

第十問

ヒント・唯一遮断ができない駒、桂馬に対してどう対処しますか。

第十問・解答(クリックで表示)

同じように離れたところから利かせていても、桂馬だけはその利きを遮断することができません。この特性ゆえにリアルタイムバトル将棋では非常に強力な駒なのです。
また、8七に歩があるせいで8九の確定反撃も打てません。
ではどうするか、ここでの正解は7七歩
8八の金に確定反撃ができないのであれば、そこに利かせてある7六の桂馬に確定反撃をすればいいのです。間接確定反撃ですね。

時間的には際どいものの、先に7六歩と桂馬を取ってからの8八玉でしのげています。
これは非常に難易度が高く、上級者でもとっさには見切って指せないと思います。
遮断ができない桂馬に対して特に有効な手段になりえる、ということを覚えておいていただければと。

 

第十一問

ヒント・一種の応用問題です。

第十一問・解答(クリックで表示)

これも間接確定反撃に近い発想。7八歩が正解です。7八同金ならクールタイム6秒が発生するので8八玉と取れるようになります。そのまま放置ならもちろん7七歩からの8八玉。
こうやって時間を止めて局面だけを見れば分かりやすいんですけど、実戦で咄嗟にやるとなるとなかなか難しいです。
ちなみにですがこの局面の場合9七歩成りとやられると今度こそ完全に詰みの状態になって負けです。
9八玉から逃げる手を消すために配置した歩でしたが、金か銀にしておけば良かったです。

 

第十二問

ヒント・ここからは連問形式です。追い詰められて逃げ道がないように見えますが…。

第十二問・解答(クリックで表示)

逃げ道がないなら作り出してしまえばいい。
9五歩と突いてからの9六玉で逃れています。
なお、9五歩を完全に読まれていた場合は9六玉の前に9五同歩と取られて相手の歩の方がわずかに早く先に動けるため王様を取られて負けになる可能性があります。

第十三問

ヒント・先ほどの局面から相手が9五歩と取ってきました。依然ピンチですがまだしのげます。

第十三問・解答(クリックで表示)

9四歩で香車を遮断してからの9五玉。
リスクはありますがこういう場面では先に9五玉を入れてから9四歩と打つような手もあります。
手順前後にはなりますが先に9四に歩を打ち込むよりもその方が全体の操作量は少なくて済むので、十分な操作速度が出せる上級者は好んでそちらを選ぶ傾向にあります。

第十四問

ヒント・9四香、9三歩と支えてきました。9四香を見てから先にこちらが9三に歩が打てていれば前方に抜け出せていたのですがもう無理です。

第十四問・解答(クリックで表示)

まだ粘れます。9六玉と引いてから即座に間駒の9五歩。
じり貧のように見えるかもしれませんが、こうやって粘っている間に相手玉に仕掛けた王手が通ったりするので少しでも粘って時間を稼ぐスキルは重要です。

さて、最終となる第十五問は上の局面の続きでそのまま考えてください。
次に相手から9五香、9四歩とくるのが見えています。

第十五問・解答(クリックで表示)

正解は8九歩。
第十一問と同様で強制的に馬を動かすための一手。
ここから8九同馬なら8七が安全になるので8七玉。
歩を取らない7七馬や7八馬であっても馬にクールタイム6秒が発生するのでやっぱり構わず8七玉。
香車で王様を取ることを優先してくるなら8八歩で馬を取ってから8七玉。

時間的に際どく、タイミングよく8六歩と突いてこられるような手もあるので怖いのですが絶望的な局面からでも諦めなければこのようにしのげることもある、ということです。




ということで今回は以上です。
こういう発想があるんだっていうことを理解しておいてもらえれば、実戦で同じような場面が出た時にあまり考えることなく指せるようになるんじゃないかと思います。
負けそうな場面で負けない、っていうのは勝負において凄く大事なことなので是非マスターしてほしいですね。それでは!


リアルタイムバトル将棋第二回銀星戦振り返り

令和五年の5/5、岐阜県岐阜市にあるショッピングセンター、マーサ21内の会場にてリアルタイムバトル将棋のタイトル戦である銀星戦の栄えある第二回が開催されました。


rtbs.jp

 

銀星戦について詳しいことは前回の記事を読んでもらうのが手っ取り早いかと思います。

makotodash2.hatenablog.com

 

昨年7月以来の大きな大会で、普通の一般客のみなさんの目にも極めて止まりやすい会場でかつてないボルテージの高さがありましたね。

 

 

MCを務められた岐阜ご当地タレントのやながせゆっこさん。
終始笑顔で安定感抜群のMCでしたね!
初めてお会いするのにインタビューの受け答えのやりやすいことといったらなかったです。

 

同じく岐阜アイドルの蜂蜜★皇帝の皆さん。
以前からこのゲームには何かと縁がありましたが今回は本当に本格的なサポート体制って感じで頼もしかったです!
開幕からライブで盛り上げてくださってメンバー自ら会場でチラシ配りまで。

 

そしてなんといっても今回、公式アカウントの発信代行で大会の状況をどんどん流してくださったのがとても良かったですね。

メンバーの皆さんの魅力も同時に発信できてるので一挙両得感ありますね!
このおかげもあって今回自分では大会中あまり写真や動画を撮らなかったですw

そして特別ゲストとして将棋界から杉本昌隆八段室田伊緒女流二段のお二人が。

プロ棋士の視点からの解説、トークで終始大会を盛り上げていただけました。
今回の大会は敗退した選手が次の試合の解説役に回るというシステムでしたので、私を含めた選手一同は両先生と会話で絡むという大変貴重な機会をいただくことができました。


さて会場なんですがはちペラの皆さんの活躍もあってか、かなり早い段階からお客さんが結構埋まり始めていまして、小さなお子さんからご年配の方までその年齢層の広さがまず凄いと思いました。
通行客のみなさんも時折足を止めてご覧になられたりしていまして、この会場の熱気はとてもよかったですね。
そしてVIP席も用意されていまして、そこには県議会議員の方や会場となったマーサ21の社長、大会の模様を生放送された地元ケーブルテレビ局CCNの代表取締役などそうそうたる顔ぶれが。
あらゆる方面から全力でこの大会を盛り上げようという強烈な岐阜パワーを感じましたね。


さてそれでは挑戦者決定トーナメントから振り返っていきます。


配信と合わせてご覧ください。

www.youtube.com



一回戦第一試合 やましゅ選手 vs 星野良生選手

初っ端の対戦ということで両者とも若干固さはあったのかなと思いました。
一本目はやましゅ君側が、三本目は星野先生側がそれぞれ操作ミスや遅れで王手を処理できずに負けるという展開になったのでお互いちょっと危ない試合運びでしたでしょうか。
特に三本目は星野先生の序盤の積極的な攻めが炸裂してやましゅ君がかなり不利だったのですが、切り返し方が上手かったので相手のミスを誘えたといえるかもしれません。

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星野先生側の8五歩突き捨てを交えた攻めが機敏で、やましゅ君側がややまずい金銀の動かし方をしてしまいました。
ただその後の6七玉7六歩の反発がよかったですね。

 

一回戦第二試合 飛車ちゅう選手 vs 公人直人選手

この対戦カードは公式戦では初だったでしょうか。お互い大会出場がしばらくなかったこともあって展開は結構予想しにくかったですね。
一本目は飛車ちゅうさんがじわじわと駒得して優勢になりましたが無理せず慎重に立ち回る展開。
ただそれが若干消極的だった面もあったため、公人さんに一瞬の隙からトライを狙われて逆転模様に。
しかし公人さんが最後の場面で致命的な手順前後をしてしまい、飛車ちゅうさんがそれを冷静にとがめて勝利、といった感じでした。

youtube.com

公人さん側の王様を踏み込んでからの6七歩がめちゃくちゃ好手で、これで6八の金を取ってから6九玉という手順でほぼほぼ勝ちだったのですが、先に6九玉を指したため6七歩の紐が外れてしまって相手玉で取られ、本来取れるはずだった6八の金で王様が取られてしまいました。
これは間接的な安全地帯が見える上級者ゆえに起こってしまった見落としという感じでしたね。例え金が利いていても自分の駒で先に払ってしまえるから6九は安全だ、っていう感覚が見えてしまうんですよ。
逆転まであと一歩だっただけにこれは本当に悔しかったと思います。
2本目の試合は早めの段階で公人さん側がやや不用意に王様を動かしてしまった結果王様同士の刹那が発生し、王様で相手の王様を取って飛車ちゅうさんが勝ち上がりを決めました。

 

一回戦第三試合 鷺宮ローラン選手 vs まこと’選手

試合の前にまずコントローラー設定の件でやたら時間がかかってしまって申し訳なかったです…。
決定ボタンとキャンセルボタンが入れ替わってしまって、それがどうしても直らなくって10回以上再起動するような状態に。
前回タイトル戦の時もこういうことがあったので今後自分でもちゃんと対応できるようにもっと気を付けたいと思います。皆さんすみませんでした。

試合の方ですが、終わった後のインタビューでも話させてもらいましたがローランさんとは昨年末あたりから一番よく対戦をさせてもらっていたので、今回特に対策を考えて挑ませてもらった相手でした。
ローランさんの王様を使った入玉力は本当に脅威でして、トライルールとの相性は抜群。練習では度々苦汁をなめさせられていました。
で、こちらの基本的な駒組としては早めに8筋(配信画面でいうと2筋)の歩を突いて8七(2三)に金を上げておくというもの。8筋の位を取られると王様と角を交えた早い攻めが発生するのでそれを防ぐ意図です。
そこから後は基礎的な操作速度等のやり取りでは若干こちらに分があると思っていましたので、有利な形を作ったり端からの攻めを交えたりして崩していく構想でした。
1本目も2本目もだいたい想定通りの戦い方ができたかなと思います。

2本目は途中からトライを狙えると感じたので、5筋に持ち駒を打ち込んで王様の移動ルートを確保。
王様の位置的にこれで勝ちだろうと思っていて実際勝ったのですが、終わってから飛車ちゅうさんに指摘を受けまして一緒にリプレイを見させてもらっていたら、あれ、負けてた?ってなってました。

youtube.com

こちらとしては位置関係的に有利という認識で、後は5九に歩を打ち込まれて王様がそれに噛み合ってしまって負けるというパターンだけを警戒していました。
なので5九に銀を成り込んで先に埋めてから安全に王様を移動させるという動きをしています。
しかしこの瞬間銀のクールタイム6秒が終わるまでトライができない状態になったので時間が結構微妙なことになっちゃったんですよね。
このタイミングでローランさんが最速で6三か4三に王様を動かしていたら結構ギリギリの勝負になっていた可能性があります。
私が指すべきだったのは5九ではなくて6九への銀成りで、そこから6八玉とすれば歩に噛み合うこともなく、斜め移動で直接トライを狙うことができて確実に勝ちでした。
トライルール自体をあまりやってないこともあってここは考え方の甘さが出た場面でしたね!結構危ないことをしちゃっていました。
しかもよく見たらローランさん側が途中で5三に歩を打っているので5九歩を警戒する必要はありませんでした。万全の勝ちを拾いにいったつもりでしたがまだまだ甘いです。

 

一回戦第四試合 アルファ選手 vs ko_ta選手

マチュア代表枠の2名であり、中学二年生と小学四年生という若い2人による対戦です。
会場の何も知らない一般のお客さん方はさぞほのぼのとした対戦が繰り広げられるのだろうと想像したかもしれませんw
ところがどっこい、2人ともめちゃくちゃ強いのです。アルファさんは他のプロ達と実力帯的にはほぼ変わらないレベル、ko_ta君にいたってはプロ達よりも強く優勝候補ですらあります。

2人ともこんな大きな舞台での大会は初めてなので少なからず緊張もあっただろうとは思います。ko_ta君は指が震えて上手く操作できないところもあったとインタビューで話していましたね。しかしプレイ内容はおおむねいつも通りで2人ともとてもいい動きができているなと思いました。この舞台で堂々とプレイできるのだから大したものです。
やはり内容的にはko_ta君が圧勝ではあったのですが、アルファさん側も駒の動きはよく見えていて、持ち味である粘り強い受けを随所で見せられていたのがとても良かったですね。
並のプレイヤーであればko_ta君の強烈な攻めの前には何もできずに一方的に負けてしまうところですが(私でもたまに何もできずに一方的に負ける)、しっかりと受けて簡単には負けないところはさすがです。

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冷静に根元の支えた歩を銀で払ってからの7七玉。
続く相手6六角にも即座に反応して6七歩の確定反撃と綺麗な受けの手順です。
今回の大会では一回戦で優勝候補に当たってしまったのであまり活躍の場がなかったアルファ選手ですが、これからますます伸びてくるプレイヤーだと思ってます!
れお君やko_ta君が凄すぎるだけで中学二年でこれだけ強いって時点で本来十分に凄いんですよw
同年代のやましゅ君との対戦なんかも見てみたいですね。


さて一回戦が全て終了しまして、勝ち残ったのはやましゅ選手、飛車ちゅう選手、まこと’選手、ko_ta選手となりました。
実はko_ta君以外の顔ぶれには共通点がありまして、過去に行われた3回のタイトル戦におけるそれぞれの準優勝者なんですね。飛車ちゅうさんが電棋戦、やましゅ君が第一回の銀星戦、そして私が挑神戦。
この四人の中から誰が挑戦者になるのか、大会もいよいよヒートアップしてきました。

 

準決勝第一試合 やましゅ選手 vs 飛車ちゅう選手

お互い棋力の高さからくる丁寧な立ち回りが持ち味という印象の2人。
中盤のしのぎ合いからどちらが抜け出すかという展開が見どころとなりました。
一本目はやましゅ君の歩と飛車ちゅうさんの王様の動きが完全にかち合ってしまう展開で飛車ちゅうさんとしてはかなり痛い一敗。
しかし一本を取り返して1-1となり、3本目は終盤でお互いがトライを狙い合う展開に。やましゅ君側が王様の位置的にはかなり有利でしたが、飛車ちゅうさんが自陣に歩や香車をまきびしのごとく打ち込んでやましゅ君の王様の進行速度を遅らせたのが上手かった。

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これで速度差がギリギリ逆転して飛車ちゅうさんが際どく先にトライ。決勝進出を決めました。
トライルールに対する理解度、アプローチの仕方という点ではこの大会を通して飛車ちゅうさんが一番上手かったのではないかと思います。さすがパズラーって感じです。

 

準決勝第二試合 まこと’選手 vs ko_ta選手

出ました年齢格差マッチ。私が44歳、ko_ta君が9歳なので驚きの35歳差です。
実は今回この試合をやりたくて一つの目標にしていました。
大会前にko_ta君とは何回か練習で連戦をしていましたがとにかく強い。でもだからこそこちらも全力をぶつけられる相手なのです。この舞台で試合をして、そしてなんとか勝ちたいなと思っていましたね。
ko_ta君とはこの日初めて会いましたが想像通りというか想像以上にというかとにかく小さくてかわいらしいお子さんです。プレイの外では大人と子供でこちらがいろいろサポートしたり成長を見守る側なのですが、一旦プレイが始まってしまえば盤上においては立ち向かうべき強敵、壁という存在に変貌します。まさにesportsの醍醐味って感じがします。

さて肝心の試合の方なのですが、この試合はあまり何も考えずに挑んで流れで指していましたね。普通のことをやっていると地力で負けてしまうので少し違うことをやってその中で自分のペースをアドリブで掴んでいこう、というような考えでした。
結果としてはこれがよくなくって、慣れない形になった結果むしろこっちのペースが乱れてしまって序盤から無駄に駒損をするような手を指してしまいました。振り返ってみても反省しきりです。

一本目は押されながらも途中で仕込んだ5九の香車の開き王手で一発逆転を狙うも防がれて万事休すという試合に。

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ここしかないという勝ち筋を潰されてしまってはどうしようもありませんでした。
凄い物量。

二本目は序盤のミスから不利状況だったので普段やらないような指し筋からの玉上げに活路を見出しますがそれが相手玉と噛み合って約0.2秒差の負け。
結果的には負けでしたがko_ta君側からしても結構ギリギリの危ないタイミングだったので発想やタイミング自体は悪くはなかったかもしれません。ただそんな非常手段を用いないといけないような状態にしちゃってる時点でまず良くなかったですね。

 

挑戦者決定戦決勝戦 飛車ちゅう選手 vs ko_ta選手

ついに決勝戦です。
この二人の対決も実は結構ドラマティックな要素を秘めているといいますか。
実はko_ta君がこのゲームを始めたきっかけとなったのが、いいすぽという番組でこのゲームの大会を視聴したことなのです。
そして、第二回のいいすぽ大会で圧勝により優勝したのが飛車ちゅうさん。
ko_ta君は録画したその時の大会をなんと数百回も繰り返し視聴したという逸話があります。間違いなく日本で一番多く見ていると思いますw
当時のko_ta君にとってのヒーローだった飛車ちゅうさんとこの場で対決…これは熱いですよ。
ちなみにこの2人は大会数日前に練習で初めて対戦されたそうです。

勝戦は2本先取の2セット先取形式で行われます。
一本目の開幕直後、早速飛車ちゅうさんが技を見せつけます。

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8八の角を取りにきたko_ta君の角をギリギリで9七角と回避、一方的に角得の状態にします。相手の大駒をすかして取るこのテクニックは飛車ちゅうさんが特に得意にされています。
この試合、直前の試合で敗退した私が解説役として席についていましたが、開幕直後すぎてこの技が炸裂した瞬間は実はちゃんと見ていませんでした。
なので試合が終わってから飛車ちゅうさんに「まことさん!見てくれましたかあの角!」って言われて「えっ、どの角ですか?」ってなりましたw
これで本来であればかなり優勢になるはずなのですが、ko_ta君がすかさず9五歩と角の隙を狙っていったのが好判断。角を逃がすのが難しくなった飛車ちゅうさんは6四角と捨てざるを得なくなり、結果的に駒の損得はほとんどなくなりました。

飛車ちゅうさんいわくあの角が最大の見せ場だった…というくらいko_ta君側が終始優勢に進めて4本連取のストレート勝ちを決めました。
飛車ちゅうさん側としてはko_ta君の厳しい動きに対して無難に戦っていては無理と見てギリギリのところを突いていったのだと思いますが、クールタイム的に王様が間に合わない場面で動いてしまって取られるというパターンが多かったですね。

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ちょっとでも有利なら見逃さず確実に取ってくるko_ta君側の動きが完璧だったともいえます。成桂で王様を取った3本目の試合では約0.1秒の有利を見逃さずに取りきり。4本目では動かしにくい桂馬でしっかりと王様を取りました。

ということで銀星戦挑戦者は小学生プレイヤーのko_ta君に決定!
正直これは下馬評通りといっていいです。オフライン会場でも強かった。

休憩を挟んでいよいよ銀星戦の本戦が始まります。
タイトル保持のれお君がついに登場。
今回のれお君には相当なプレッシャーがかかっていたのではないかと思います!
まず地元開催ということで否が応でもかかってくる期待。
相手は初めての年下。
しかも直前の大会では負けていることもあって実力的にはほとんど互角のレベル。
更にはko_ta君は挑戦者決定戦を勝ち上がってきて勢いづいていますがれお君は本日ここから初めて試合に臨まなくてはいけません。
試合が始まる前にローランさんと話しましたがれお君のプレッシャーは相当なものだろうという認識で一致していました。

さて今回のタイトル戦は七番勝負。
分かりやすくいうと2本先取の4セット先取になります。
かなりの長丁場になります。一本一本が濃密な試合、それをかなりの回数こなさなくてはいけません。
これは過酷ですよ。若い二人、特に小学生のko_ta君がこれに挑む姿はちょっと心配になるくらいで、これはある意味児童虐待なのではないかなんて軽口をたたいたりしながら選手一同モニターの前に釘付けになって観戦しておりました。

 

観戦する我々の姿を後ろで観戦していたはちペラの皆さん。


銀星戦本戦の解説役は全て星野先生が担当。
解説に慣れてらっしゃいますし、岩田さんとのコンビも長く、ゲストの両プロとも面識があるので最適の人選ですね!

第一セット一本目。
れお君側に判断ミスがあったか、序盤から金を取られて馬を作られる展開に。
そのまま不利状況を覆しきれずまずはko_ta君が勝利。
もうこの時点でこれは大変な勝負になるぞと思いましたね。

2本目はトライ勝負になりますが6九と5九に二枚の銀を配置して手厚く守ったれお君が一枚上手だった。

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この2枚銀に加えて4七の銀まで守り加わってくるので大変堅牢でした。
位置的にはko_ta君の王様の方がかなり前に出ていたのですが、この突破に手間取っている間にれお君の王様が先にトライ。

第一セット3本目は超大激戦。
そろそろれお君にもエンジンがかかってきて本領を発揮してきた感じがありました。
しかし対するko_ta君も一歩も譲りません。
一進一退の熾烈な攻防が続き、残り100秒を切ってもどちらが有利なのか分からないほどでした。

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しかし最後はれお君が何とか攻めを繋ぎきっての勝利。第一セットをまず取ります。
解説の星野先生がこれは七番勝負にふさわしい対決だとおっしゃっていましたが全く同感でした。超超ハイレベルです。

第二セットではまずれお君が開き王手で一本を取り、次の試合では互いに争点を作りにくい駒組となったために引き分け再試合となりました。

お互いの志向や判断によってはこの後引き分けを何度も挟む可能性も十分にありましたが、この日はこの一回だけでしたね。お互いにやはり攻めが持ち味で積極的です。

再試合となった2本目は一転して激しいぶつかり合いとなりますが途中でれお君の4三桂成りが決まって優勢に。
しかしko_ta君も必死に粘ります。そこでとんでもないプレイが飛び出しました。

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まさかの自分の玉を相手玉にぶつける6三玉。
これについては先日ツイートで解説を行いましたのでそれをちょっと貼らせてもらいます。


これは本当に凄かったですね。
私含め観戦していた選手達もみんな驚いて、最初はミスかと思ったけどどうも狙ってやったらしいぞということが分かるにつれて、とんでもないプレイだったということが実感できてきました。
リアルタイムでこのプレイが見られたのはもう大興奮ものですよ。この大一番で凄いことをやってくれます、れお君。

これでれお君が2セット連取。ko_ta君側も決して悪くないどころかものすごいハイレベルな手を連発しているのですが、それでもこのスーパープレイで俄然れお君に勢いが傾いてきたように思えました。

第三セット一本目、ko_ta君が5七にと金を作る展開に。
ここでれお君側に判断、もしくは操作のミスが出て王様がタダで取られる状態になってしまいko_ta君がまず一本先取。
続く2本目もれお君が王様を横に移動させて成り銀を取るだけという場面で斜めに入力をしてしまって角で王様を取られて負けてしまいます。
激しいぶつかり合いの場面ならまだしも、ほとんど何も起こっていない場面での操作ミスだったのでちょっとれお君らしからぬプレイでしたね。
ちょっと不安の残る落とし方でko_ta君にセットを献上してしまい、これでセットカウント2対1となります。

気を取り直して第四セット。
1本目はれお君が2筋付近で上手い攻めを通して優勢になりそのまま勝利。
2本目は観戦側が一種のエラーでクールタイムが表示されなくなるというアクシデントが発生しますが、試合そのものは通常に進行して最後はれお君が飛車の利きを活かして勝利。
これで3対1となりタイトル防衛に王手をかけました。

ko_ta君にとっては負けられない、踏ん張りどころとなる第五セット。
しかしれお君完全にエンジンがかかっています。
1本目、中盤のやり取りの段階から解説しきれないほどめちゃくちゃ上手い手を連発してko_ta君玉を追い詰め、更に自身はトライも狙えるという状態に持ち込んで盤石の勝利。

2本目、ついに後がなくなったko_ta君ですが一歩も引きません。中盤のやり取りで優勢を築き手厚い布陣にします。
れお君側は駒不足となり細い攻めをなんとか繋ごうとしますが、最後はko_ta君の桂馬の操作速度の前に敗れます。

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攻めが細いだけに多少の無理が必要だったれお君。
桂馬の利きに飛び込みますがこれは成立しそうだと思ったはずです。
棋譜ログによるとko_ta君の6三の桂馬が動けるようになるのは103.5秒、れお君の王様が動けるようになるのは103.8秒です。
桂馬という駒は動かすのが難しいので多少の猶予があっても駒を取りきれないことが多いのです。並のプレイヤーが相手であればこれは十分成立していたと思います。しかしko_ta君はこの場面でわずか0.3秒の猶予で桂馬を動かして王様を取りきりました。上手すぎです。
ちなみにko_ta君の操作は一般的なゲームパッドのスティック操作です。なんでこんなに早く正確に動かせるの…。

ついでなのでここで選手達が使っていたデバイスの画像を。

れお君のやつだけ映っていませんが、上に写っているキーボードとだいたい似た感じです。
ko_ta君のは右下の青いゲームパッド
ちなみに私のは一番小さい黄色いやつです。画像だけ見たらこれがko_ta君のコントローラーだなってみんな思いそうですよねw

さてでは試合の話に戻りましょう、勝負の第五セット3本目。
角交換などのやり取りから一瞬の隙を見つけて2三銀と打ち込んだのが機敏な一手となり、3四の飛車を取ってれお君がやや優勢に。
状況としてはまだ中盤の入り口あたりでしたがここで決め手が飛び出しました。

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ko_ta君側が2枚の角を引いて駒の利きが少なくなっていたタイミングでした。
4四銀と何も利いてない場所への打ち込み。これが決め手となりました。
このあと3三桂成りとしてから桂馬の空いたスペースに4五歩と打ち込んで銀に紐づけるのが見事な収束手順。

これで一気にko_ta君玉を追い詰めます。
最後の場面、厳密にはまだ2五歩からの2四玉があるため完全な詰みではありませんでしたが、その前にれお君が飛車で王様を取って勝利となりました。
これまで速度を活かしたリアルタイムバトル将棋らしい決着が多かったですが、最後の最後で将棋的な、一種パズルのような鮮やかな収束手順が飛び出しましたね。
星野先生は逆算した詰将棋みたいだと評されていました。

これにて銀星戦は終了!
れお君がタイトル防衛に成功しました。
最強挑戦者の登場で今回こそはついに危ういかと思いましたが、終わってみればさすがの強さでしたね。
れお君、初登場以来賞金のかかった大きな大会ではこれまでただの一度も負けたことがありません。驚異的な勝負強さです。(獲得賞金総額これでいくらになったんだろうw)
そして敗れたとはいえ、ko_ta君のプレイも本当に素晴らしかったです!
この画像だけ見ると大差ですけれど内容的には本当に紙一重で一歩も退いてなかったです。
これがオフライン大会初参加ですよ!むしろこれからまだ成長することを思うと末恐ろしいと言いますかw
これからも名勝負を繰り広げていってほしいですね。

ということで今回の振り返り記事は以上です!
関係者の皆さんありがとうございました。

リアルタイムバトル将棋第二回銀星戦(5/5)の見所紹介

5/5にリアルタイムバトル将棋のタイトル戦の一つである銀星戦の第二回が開催されます。
この記事ではその見所をざっくりと紹介します。今回いろいろと凄いんですよ。

 

公式サイト~ポスター

rtbs.jp

まずポスターが凄い!
めちゃくちゃ力が入ってます。

 

 

銀星戦のおおまかな詳細

・現在3つあるリアルタイムバトル将棋のタイトルのうちの一つ(残る二つは電棋と挑神)

・現タイトル保持者はれお選手
・タイトル戦の第二回目開催は今回が初
本将棋のタイトル戦にならって、まずは挑戦者を決定するためのトーナメントが行われる
・挑戦者決定戦に出場するのはれお選手以外の6名のプロに加えて、アマ代表大会を制した2名のアマ選手


出場選手一覧(敬称略)

れお(銀星戦タイトルホルダー)

やましゅ

まこと’

飛車ちゅう

星野良生

公人直人

鷺宮ローラン

ko_ta

アルファ

 

見所その1・アマ代表枠選手が若い。そしてめちゃくちゃ強い

先ほど紹介した選手一覧のko_ta選手とアルファ選手がアマチュア代表選手です。
ko_ta選手は小学4年生、アルファ選手は中学2年生で、今回出場する選手の中ではそれぞれ1番目と2番目に若いことになります。
ちなみに現タイトル保持者のれお選手が中学3年生、ポイントランキング2位のやましゅ選手が高校1年生です。これだけでもいかにこのゲームで若い力が活躍しているか分かってもらえるかと思います。(なお私)
今回の大会が5/5の子供の日の開催ですので、うってつけの状態になったと言えるでしょう。

特に注目なのがko_ta選手で、最年少プレイヤーでありながらすでにその実力はプロ級…どころかトッププレイヤー並と言って差し支えありません。
先日の大会では最強プレイヤーであったれお選手をついに破るほどにまで成長し、その勢いはとどまるところを知りません。
今回の大会でも優勝候補でしょう。どんなプレイが飛び出すのか個人的にも注目したいです。
とはいえ、今回のような大きな舞台での大会は初めてなのできっと緊張もあるかと思います。アルファ選手ともども、のびのびとプレイしてほしいですね。

ちなみにこちらは先日の大会におけるれお選手対ko_ta選手の試合の様子です。
時間のある人は是非動画全編の方でこの2人の試合の全てを見てみてください。とんでもないです。

見所その2・トライルール

昨年開催された第一回の時もそうでしたが、銀星戦ではトライルールと呼ばれる特殊ルールが導入されています。挑戦者決定トーナメントから全てこの形式で試合が行われます。
トライルールでは王様が相手の王様の初期位置、盤面で言うと5一(5九)の地点に移動することでも勝利になります。(トライ地点のマスは白く表示されます)
基本的には通常の試合のやり取りとそこまで変わりはないのですが、不利状況でもトライを狙って逆転というパターンがあるため、自玉と相手玉の位置関係が時に重要になってきます。
観戦においても注目ポイントの一つで、通常の戦いからトライを狙いに行く動きに切り替えるタイミングや、見事トライを決めきることができるか、もしくはそれを防ぎきることができるかといった攻防などがおもしろいところだと思います。

通常ルールだと相入玉からのポイント勝負が発生することがありますが、このルールだと入玉を決める=そのままトライでの勝利に繋がりやすいため、展開がスピーディなのが特徴の一つです。

トライルールの試合画面

見所その3・本戦の七番勝負

挑戦者が決定した後の本戦は今回なんと七番勝負となっています。本将棋の方のタイトル戦にあやかった形ですね。
2本先取で1セットを取るという形で、先に4セットを取った方が勝ち。最大で7セット行う、という形式になります。
これまでこのゲームでは大きな大会でも2本先取で勝敗が決まるということがほとんどでした。
稀に一部の大会で3本先取形式があったり、ダブルエリミネーション形式で実質2本先取の2セット先取だったのがおそらくこれまでの最長で、今回ここまでの長期戦で勝敗を決めるのは史上初の試みです。
知恵と知恵、技と技のぶつかり合いだけでなく、精神力同士のぶつかり合いも見られるのではないかと思います。大熱戦に期待してください。
(ちなみにもし私が挑戦者になったとして、果たして体力が持つかどうか怪しいですw)

 

ということでざっくりと見所を紹介させてもらいました!
他にもゲストのプロ棋士のお二方、そして岐阜ご当地アイドルの皆さんの出演などプレイ以外の部分でも注目ポイントがありますのでそちらも注目です!個人的にもとても楽しみです。
当日は13時から配信もありますので気になった方は是非見に来てくださいね。それでは。

 

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リアルタイムバトル将棋初心者向けガイド~スマホ版から始める皆さんへ

スマホ版リリースに合わせて、スマホ版の特徴の紹介をしつつ新規にプレイする皆さんに向けてプレイの助けになるものを用意してみました。

 

スマホ版リアルタイムバトル将棋の特徴

基本的なゲーム内容はこれまでに発表されてきたswitch版やPC(steam)版と同じです。
将棋をベースに手番の概念をなくして自由に好きなだけ駒を動かすことができるというゲームです(ただし一度動かした駒はすぐには動かせないクールタイムという制限があります)。


ちなみにスマホ版RTB将棋はsteam版と同様で無料です。
プレイ回数に制限があって、広告を見ることで回数が回復するタイプのシステムです。

スマホ版の最大の特徴は「タッチ操作のみ」なんといってもこれです。

switch版でもタッチ操作はありましたが、オンラインレーティング戦では使えず、フレンドマッチのみの機能でした。
また、steam版でも似た要素としてマウス操作がありましたが、こちらも公式大会などでは使用不可となっていました。
つまりこれまでのリアルタイムバトル将棋は、コントローラー等を用いて画面上のカーソルを動かして駒を操作するというシステムが基本だったわけです。
(※こうなっていた理由として、タッチ操作ではカーソル操作よりも大幅に速度が出せるといった点が挙げられます)

タッチ操作のみになったことで、初めて遊ぶプレイヤーであっても直感的に操作がしやすくなり、動かしたい駒がなかなか動かせない、操作が追い付かない、というケースが初心者であってもかなり少なくなるはずです。
また、従来のプレイヤーと新規プレイヤーとの間で、操作速度の格差が大きく縮小されることが予想されます。
カーソルを使っての操作は慣れるまではなかなか難しく、新規プレイヤーは操作速度の面で対抗できないという問題がありましたが、私を含めた既存のRTB将棋勢にとってもタッチ操作というのはほぼほぼ未知の領域なので、操作に関してはほとんど同等の環境になったといえるかもしれません。
なんなら従来型の将棋アプリの早指しなどに慣れているプレイヤーの方が操作力で我々を上回る可能性すらあります。


最初に必要な知識


操作が五分なら後は必要なのは知識だけですね。
まず基本の基本として、「駒の動きを覚える
将棋を知っている人はこの時点でだいぶ有利です。
将棋を知らない人でも操作時には駒が動ける場所が表示されるのである程度は直感的にプレイできますが、それでも駒の動きくらいは頭に入れておかないととなかなか厳しいです。

駒の動きが分かる人が次に知る必要があるのがクールタイムの要素。
駒によって一度動かした後、次に動かせるまでの時間が異なります。

・王、歩-3秒
香車、桂馬-4秒
・金、銀、飛車、角、成り駒-6秒

王様と歩が一番早く、次いで香車と桂馬がちょっと遅い、残りの金駒の金銀と大駒の飛車角はかなり遅い、くらいの理解で最初は十分です。

あとは将棋を知らない人だと特に忘れがちなのが成りの操作。
将棋と同様、相手陣地三段目までに駒を動かした時は、再度タップ操作をすることでその場で成ることができます。
成ることで駒の性質が変化し、強化されます。凄く大事な操作なので覚えておきましょう
(王様や金など成れない駒もあります。また三段目から手前に移動する場合でも成れます。このあたりの細かいルールは本将棋とほぼ同様なので、完全に将棋素人だよって人はwiki等で調べてみてください)

 

王手に気をつけよう!

王様を取れば勝ち、取られれば負けなので王手を仕掛けるのも仕掛けられた王手から逃げるのもどちらもとても大事です。
特に始めたばかりのプレイヤーにとって怖いのが、王様の目の前にクールタイム3秒の歩を打ち込まれるというパターン。
気づかなかったり操作が遅れたりすると3秒後に敗北してしまいます。
また、角や飛車が遠距離から狙ってくる通称「スナイプ」もなかなか脅威です。

王手がかかった場合にはピキーン!っていう感じの特徴的な効果音が鳴るので、これに気を配っておくというのがなかなか有効です。
(ただし条件によっては鳴らないこともあります)

王様はクールタイム3秒という歩と同等の最速の速度で動けるので、普通の将棋なら負けという状況でもその素早さで意外と逃げ切れることも多いです。詰みだと思っても諦めずにがんばって逃げてみましょう。

 

歩の三段活用!

このゲーム、歩がめちゃくちゃ強いです。
クールタイム3秒というところでそれに気が付いた方はなかなか鋭い。
持ち駒として歩を使うのが凄く重要で、その中でも特に重要なテクニックを3つ紹介します。

・確定反撃
相手の大駒が動いたら即座に目の前に歩を打ち込みましょう。
クールタイム6秒の駒より3秒の歩の方が先に動けるのでそのまま取ってしまえます。
最重要と言ってもいいテクニックです。



・支えの歩
自分の駒を動かした後、即座に後ろに歩を打ち込んで支える手筋です(盤面上の歩を突いて支えるケースもあります)。
自分の駒が取られてしまったとしても後ろで支えておいた歩で相手の駒を取り返すことができます。
攻めでも守りでも非常に重要なテクニックなので、是非マスターしましょう。

・と金ラッシュ
相手陣地に歩を成り込んでと金を作ったらその後ろにすぐに歩を打つことで、と金の量産体制を作ることができます。
非常に強力な手筋で、これが決まればだいたい優勢になります。

と金ラッシュを決めている様子。手筋としてはこれも支えの歩の一つ。



以上3つが実戦で使えるようになれば初心者卒業といっていいと思います。

 

おすすめ操作方法

タッチ操作になったことでこれから人それぞれやりやすい操作の仕方を見つけていくのではないかと思いますが、今の時点で私がこれはやりやすいぞと思っている操作は
基本的な操作は利き手の指で行い、利き手でない方の指を持ち駒(特に歩)に合わせておく」これがおすすめです。
先ほど述べた歩を使ったテクニックを効果的に活用するためには歩を打ち込む速度が非常に重要になってきます。
その点、この操作方法であれば持ち駒の歩を即座に打ち込みやすくなります。

 


もっと詳しく知りたい人は

ちょっと古い記事ですが以前に私が書いた手筋・テクニック集です。

makotodash2.hatenablog.com

また、こちらの攻略wikiにもいろいろ情報が載っているのでおすすめです。

poyaju.com

 

今回は以上です!
楽しいリアルタイムバトル将棋ライフを!